第5回目は、各自が収集したいすみの店舗データや統計データの共有を行い、これらの数値を基に、いすみ市内の食料品小売店の売上高や、地元内外店舗の売上高試算などを行いました。

 

 まずは、いすみ市内在住の地域おこし協力隊の方から、いすみ市の店舗データの共有を行いました。実際にいすみ市内にあるスーパーのうちの数店舗に足を運んで、必要なデータを集めてきてくれました。実際に行って確かめよう!という行動力が素晴らしいと思いました。ありがとうございました!

 実際の店舗データを調べてみて分かったことが、いすみ市内にあるスーパーのうち、大きなスーパーはほとんど登記所在地がいすみ市外だったということです。登記所在地がいすみ市外ということは、いすみ市のスーパーで支払ったお金がいすみ市外に流れてしまうということです。

 住民にとって便利且つ何でも揃うスーパーですが、「大手スーパーで買い物をする=地域外にお金が流出する」であり、年間で考えると莫大な額になります。いすみ市内に本社を置き、いすみ市民がお店を運営する、”いすみスーパー”のようなものがあれば良いなと思いました。

 

 次に、現在は海外から参加して下さっているいすみ市民の方から、統計データの共有を行いました。いくつかの商業統計データを基に、いすみ市内全体の食品小売の売上高、大手スーパー、コンビニエンスストアの売上高を試算し、いすみ市の食品小売のお金の流れをざっくりと算出しました。今回は、地域外に落としているお金として、大手スーパーとコンビニエンスストアのみを採用していますが、話し合いの途中で、「生協をよく利用している」「コロナ禍もあって、ネット通販や生協の利用率は以前より高くなっているのでは?」という声も多く上がりました。これらの精緻な算出はせず、参考値として提示するに止めることにしましたが、実際に地域外に落としているお金のリアル値は、今回私たちが算出する数値よりも多くなるということが言えるでしょう。

 

 今回は、データを基に試算を進める分析回でした。ざっくりとではありますが、実際にいすみ市内の食分野における域内外経済の試算値が出ました。この数値を見た方から、「自分の生活と直結している部分を感じる。数字にはしっかり現状が出るんだなと思った。」「どこで買い物をするのかなど、改めて考え直すきっかけになる。」という感想が上がりました。私自身も、もっと地域について考えた消費行動を行いたいと考えるようになりましたし、このプロジェクトが多くの地域に広がることで、地域の食について考える人が増えてくれたらいいなと思いました。

 

 さて、次回はついに、レポートの作成に着手していきます!いすみローカル経済レポートプロジェクトも残すところあと数回。どのようなレポートが出来るのか、ワクワクしています!

 

(武蔵野大学 工学部 環境システム学科 小笠原七海)